ブレイク・スナイダーの脚本術 その4

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ボードを使ってストーリーを作ろう!

ブレイク・スナイダーの脚本術におけるボードの使い方

自分が使いやすいサイズのボードとインデックスカードを用意する。ボードとカードは脚本を視覚的に認識する最適の道具です。例えば二つのシーンが繋がっていない空白部分「ブラックホール」もひと目で分かる。

水平にマスキングテープを三本貼る。一列目は第一幕、二列目は第二幕前半、三列目は第二幕後半、四列目は第三幕。

ボードを使った脚本作成術の図

インデックスカードを用意する。ネットでも購入できるしダイソーなど100円ショップでも購入可能。

最初に作品名を書いた一枚をボードの一番上に貼る。ここから脚本を作っていきます。使用カード数は好きに使って構いませんが、最終的にボードにあるのはきっちり40枚にする。

カードの書き方は、

●一枚のカードに一つのシーン。
●シーンの起きる場所(シーンを跨るなら分かる範囲)。
●シーンで起こる基本的なことを簡潔に書く。

脚本のカードの書き方の例

書いたらボードの適当な箇所に貼る。これが基本の流れです。

インデックスカードの使い方の詳細

まずは自分にとって思い入れのあるシーンをカードに書いて貼る。次はストーリーの要となるターニング・ポイント、ミッド・ポイント→第二ターニングポイント→第一ターニングポイントを書きます。

ミッド・ポイントでは主人公が偽の勝利、敗北を味わっている。ここを上手く押さえればその後の進行が楽になる。ミッド・ポイントができたら「すべてを失って」を作る。ここはミッド・ポイントの逆にすればよい。ミッド・ポイントと「すべてを失って」ができれば第二ターニングポイントも自然とできる。

第一ターニングポイントは「セットアップ」からの流れなので、大抵さほど苦労無く作れるはずです。

これらはあくまでスナイダーの手順であり、あくまで自分はこうすると著者は書いています。

カードの書き過ぎ

バックストーリー(物語の開始前に起きている出来事)はシーンではありません。「主人公は悪い奴だと誤解されている」などはシーンではなくバックストーリーであり、「主人公の登場」という一枚のカードにまとめることが可能。バックストーリーや登場人物の特徴は「セットアップ」で全て説明済みでなければならない。

シークエンスもシーンではありません。カーチェイスは屋内から屋外など場所から場所へ移動するため、複数のカードに切り分けてしまいがちですが、これは「カーチェイス」の一枚で十分です。

軽めになりがちな第三幕

第三幕はスカスカになりがち。その時は下記のチェックを行う。

●サブプロット(Bストーリー)はどうだろう?
第三幕にサブプロットの結末がきちんと示されているか? サブプロット(Bストーリーだけでなく、C、D、Eストーリーがあるときもある)。繰り返し現れるモチーフ、イメージ、テーマを締めくくり、帳尻を合わせるのが第三幕。

●悪い奴らはどうなっているか?
大ボスを倒す前に下っ端は全部片付けたか? 主人公を中傷した連中はしっかり報いを受けたか?

●世界は変化しているか?
主人公の行動によって世界は変化し、新たな秩序により動き始めているか?

ストーリーの色分け

各登場人物のストーリーの色分けをする。太郎のストーリーは緑、花子のストーリーは赤など。こうするとボードに貼った時、誰と誰のストーリーが絡み合っているかひと目で分かり、修正箇所も明確になる。

他にも「テーマを強調するシーン、繰り返し使うモチーフやイメージ」「脇役のストーリー」「サブプロット(C、D、Eストーリー)」なども色分けで分かりやすくなる。

余分なカードを削る

使用カードは全部で40枚。各パートは10枚。足りなくても駄目ですが、大抵は多過ぎる。全体を俯瞰し一枚にまとめられないか、削除できないか考えます。

+/-と><の意味

+/-は感情の変化を表す。それぞれのシーンで感情がプラスからマイナス、マイナスからプラスに変化していなければならない。つまり何かが起きていなければならない。+/-表記により、実は何の変化も起きていない箇所、必要なかったシーンが明確になり、何かが起きていなければならないと意識できるようになる。

脚本のカードの書き方の例 +/-と><の意味

感情の変化はどのシーンでも必ず必要。変化していなければそのシーンは何が言いたいのか曖昧だということです。

><は葛藤を表す。どのシーンでも中心となる葛藤を明確にする。何と何がぶつかっているのか(葛藤の原因)、最終的にどちらが勝つか書いておく。複数の人間や複数の問題が絡む場合、葛藤は複雑になりシーンも複雑になる。だから一シーンに一葛藤でよい。

葛藤が物理的・精神的なものか、問題が大きいか小さいかは別として、各シーンに一つの葛藤を盛り込む。そうまでして葛藤が必要な理由は葛藤が原始的なものであり、確実に観客の関心を引き付けるから。人は葛藤している人間を見るのが好きであり、葛藤が無いシーンはまだ未完成です。どうしても葛藤が見つからなければカードを捨てる。

かっ‐とう【葛藤】
[名](スル)《葛 (かずら) や藤 (ふじ) のこと。枝がもつれ絡むところから》
1 人と人が互いに譲らず対立し、いがみ合うこと。「親子の―」
2 心の中に相反する動機・欲求・感情などが存在し、そのいずれをとるか迷うこと。「義理と人情とのあいだで―する」
かっとう【葛藤】の意味 – 国語辞書 – goo辞書